「電気工事士を募集しても応募が来ない」
電気設備の会社様とお話していると、そんな声が多く聞こえてきます。
求人を出せば人が来た時代とは違い、条件を並べるだけの募集では振り向いてもらいにくくなっているのが実情です。
建設業就業者は55歳以上が約37%を占める一方、29歳以下は約12%にとどまっており(総務省労働力調査、2024年時点、日本建設業連合会集計)、若手を含めた電気工事士の確保はどの企業にとっても課題といえます。
また、就活生を対象にした調査でも、給与や成長機会より働きやすさ・職場の雰囲気を重視する傾向が強まっており(ワンキャリア「2026年卒 就活実態調査」)、条件面だけで比較される募集では振り向いてもらいにくくなっていると考えられます。
条件面だけでいうと、大手の電気設備会社が有利なのは事実です。
それでも、中小企業だからこそ工夫できる採り方があります。
実際に、月5万円ほどの広告費で応募が1件から50件以上に増えた電気工事会社もあります。
本記事では、電気工事士の採用で応募が集まらない原因と、今日から見直せるポイントを解説します。
この記事でわかること
- 電気工事士の応募が集まりにくい構造的な理由
- 応募が来ないことで会社が抱える経営上のリスク
- 今日から求人票や募集の出し方を見直すポイント
- 求人票を見直しても効果が出にくいケースの見分け方
電気工事士の採用は「応募が来ない」で悩む会社が多い

厚生労働省が公表する令和8年4月分の一般職業紹介状況によると、全国の有効求人倍率(季節調整値)は1.18倍です。
つまり、仕事を探している人よりも、求人の数の方が多いということです。
建設・設備工事の分野は人手不足が特に深刻とされる業種の一つで、電気工事士の採用に苦戦する会社は少なくありません。
求人媒体に掲載しても、そもそも見られない・大手の陰に埋もれるという声は多く聞かれます。
ハローワークや紹介頼みも限界を感じ、求人媒体を使うしかないが効果がイマイチ、という状態に陥りがちです。
また、採用できても、条件だけで来た人材は早期に離職してしまうことも珍しくありません。
人さえいればもっと仕事を受けられるのに、実際は人手不足に悩まされ続けることになります。
まずは、なぜ応募が集まりにくいのか、その原因から見ていきます。
電気工事士に限らず、建設業全体で人手不足が深刻化している

電気工事士の応募が集まりにくいのは、個社の努力不足というより、業界全体が構造的な人手不足に直面していることが背景にあります。
帝国データバンクが2026年4月に実施した調査によると、正社員が不足していると回答した建設業の企業は65.7%にのぼり、全51業種の中でも上位に位置しています。
建設作業員の高齢化が進んでいることが要因の一つとされ、「案件があっても人手不足で受注ができない」といった企業の声も、同調査で紹介されている状況です。
建設業就業者の年齢構成を見ても、55歳以上が約37%を占める一方、29歳以下は約12%にとどまっており(総務省労働力調査、2024年時点、日本建設業連合会集計)、担い手の高齢化と若手不足が同時に進んでいる状況がうかがえます。
例えば、10名規模の電気工事会社で1名がベテランの退職により欠員になった場合、代わりの人材をすぐに採用できず、受注できる工事の件数そのものを減らさざるを得なくなるケースも起こり得ます。
電気工事士の応募が来ない原因は求人媒体の構造にある

電気工事士の応募が集まりにくいのは、経営者の努力不足が原因とは限りません。
求人媒体という仕組み自体に、構造的に起こりやすい理由があります。
知っておくと、対策の立て方が見えてきます。
給料と休日だけで比較されやすい
求人媒体の決まった枠の中では、多くの情報は伝わりません。
せいぜい給与、休日日数、仕事内容の概要くらいでしょう。
中小ならではの良さや、社長の人柄、現場の空気、仕事へのこだわりも伝わりにくいのが実情です。
大手と同じ土俵に並んだ瞬間、給与や休日といった条件だけで比較されてしまいます。
フォーマットが同じで差別化しづらい
入力項目や文字数が決まったテンプレートの中では、隣に掲載されている同業他社と何が違うのか、求職者から見て判別しづらくなります。
電気工事士の仕事内容や現場の雰囲気は会社ごとに大きく異なるはずですが、その違いを伝える余地が少ないという構造上の課題があります。
そうした中で数十社が並んで表示されるため、その中の一社を選んでもらうこと自体が難しくなっています。
掲載しただけでは応募につながりにくい
求人媒体は基本的に、掲載した時点で費用が発生する仕組みです。
応募が来るかどうかは、掲載後の求人票の中身や写真の見せ方に大きく左右されます。
ここを工夫できるかどうかが、応募の集まりやすさを左右する分かれ目になります。
| 「ポータル型求人に年間100万円かけても応募1件。1名採用できても3ヶ月の早期離職でした。」 出典:自前採用 公式サイト(株式会社nanomono) |
応募が来ないことが会社の経営に与える影響

応募が来ない状態を放置すると、人手不足が原因で受注そのものを制限せざるを得なくなるというリスクにつながります。
前述の帝国データバンクの調査でも、人手不足によって「受注を控えている、または受注できなかった」と答えた企業の存在が、同調査で指摘されている状況です。
電気工事の現場でも同様に、依頼があっても対応できる人員が足りず、やむを得ず断るという事態が起こり得ます。
| 応募が集まっている状態 | 応募が来ない状態が続いた場合 | |
| 受注できる案件数 | 人員に応じて柔軟に対応できる | 人手不足を理由に断らざるを得ない案件が出てくる |
| 既存社員の負担 | 業務量に応じた人員配置がしやすい | 一人当たりの現場数が増え、残業や休日出勤が増えやすい |
| 採用コスト | 計画的な採用活動ができる | 急な欠員時に割高な媒体・紹介費用に頼りやすくなる |
応募が来ない状態が長引くほど、既存社員の負担が増え、それが早期離職につながり、さらに人手不足が深刻化するという悪循環に陥りやすくなります。
早い段階で募集の出し方を見直すことが、この悪循環を断ち切る第一歩になります。
今日からできる、応募を増やすための見直しポイント

外部に頼らなくても、今の求人票や募集の出し方を見直すだけで改善できる部分があります。
求人票に「条件」以外の情報を足す
給与や休日といった条件欄だけでなく、どんな現場を担当するのか、先輩はどんな人柄なのか、入社後どんなキャリアを歩めるのかを言葉にして加えるだけでも、印象は変わります。
未経験可・資格取得支援の有無など、応募のハードルを下げる情報も、書かれていなければ伝わりません。
写真で現場の雰囲気を伝える
文字だけの求人票よりも、実際の現場や社員の写真が添えられている求人の方が、働くイメージを持ってもらいやすくなります。
今使っている写真が古かったり、現場の雰囲気が伝わりにくいものであれば、差し替えるだけでも印象は変わります。
応募後の対応スピードを上げる
求職者は複数の求人を同時に比較していることが多く、応募から連絡までの間隔が空くほど、他社に決まってしまう可能性が高まります。
応募があったらすぐに連絡する、という体制を整えるだけでも、採用につながる確率は変わってきます。
求人票の内容を定期的に更新する
一度作った求人票をそのまま出し続けていると、給与相場や募集条件が実態と合わなくなっていくことがあります。
半年から1年に一度は内容を見直し、現場の状況や条件に変化があれば反映しておくと、求職者との認識のずれを防げます。
- 求人票の条件欄以外に、現場の雰囲気や働く人の声を1つ加える
- 使っている写真が現場の実情を伝えられているか見直す
- 応募から連絡までの流れとスピードを確認する
- 求人票の内容が半年以上更新されていないか確認する
求人票を見直しても効果が出にくいケース
求人票を工夫しても応募が変わらない場合に考えられるのは、求人票以外の要因の存在です。
例えば、給与水準そのものが近隣の同業他社と比べて低い場合や、募集している職種の求人倍率が特に高いエリアで採用活動をしている場合は、求人票の見せ方だけでは改善しきれないことがあります。
また、掲載している求人媒体自体の閲覧者数が少ない、あるいは電気工事士の求職者があまり利用しない媒体を選んでいるケースもあります。
こうした場合は、求人票の中身だけでなく、掲載する媒体の選び方や、給与・待遇の水準そのものを見直す必要があります。
何を変えても応募数に変化が見られないときは、原因の切り分けから始めることが大切です。
まずは求人票の見直しから、それでも難しければ相談を
応募が来ない原因は会社によってさまざまです。
まずは本記事で紹介した見直しポイントを試してみてください。
それでも変わらないという場合には、採用の仕組みそのものを作り直すという選択肢もあります。
株式会社nanomonoの「自前採用」では、月5万円の広告費で応募1件から50件以上に増え、採用者は全員定着中という電気工事会社の実績があります。
気になった方は、以下から詳細をどうぞ。
求人媒体に頼らない採用を、自社の中に。



